11.03.2026

講演会:3.11から15年 ― 激変する世界と日本のエネルギー情勢

世界は現在、文明史的なエネルギー転換期を迎えています。

講師の飯田氏はこれを「Ei革命(Electricity〈電気〉× Intelligence〈知性[人間+AI]〉)」と称しています。

太陽光発電は地上で最も安価な電力源となり、蓄電池は送電網とモビリティを再構築しつつあります。また、電気自動車(EV)は不可逆的なS字カーブを描きながら普及し、自動車産業を根底から変革しています。中国からヨーロッパに至る各国が競争を加速させ、COP28の「UAE合意」では、2030年までに再生可能エネルギー容量を3倍に拡大するという世界目標が掲げられました。

しかし、福島第一原発事故を経験した日本は、この流れから取り残されています。3.11から15年が経過した現在も「原子力緊急事態宣言」が続き、政府は「可能な限り原発依存度を減らす」から「原子力利用の最大化」へと方針を転換しました。致命的な欠陥を抱えた固定価格買取制度(FIT)、既得権益による再生可能エネルギーへの反発、そしてエネルギー民主主義の欠如が、日本を停滞の道へと縛り付けています。

本講演では、飯田氏の著書『Ei革命―エネルギー知性学への進化と日本の針路』(集英社、2026年)をもとに、この世界的な転換の全体像を明らかにするとともに、なぜ日本が変われなかったのかを分析します。そして、地域に根ざしたエネルギー活動と、草の根からの市民参加によって推進される、新たな道筋を示します。

日時:2026年3月11日(水)18:30~20:00
会場:OAG 図書館/オンライン(Zoom配信: URLはこちらをご参照ください。)
言語:英語
参加費:無料
講師:飯田 哲也(ISEP)
司会:サーラ スヴェン

主なテーマ
■ Ei革命:新たなエネルギー文明の主役となる太陽光、蓄電池、電気自動車
■ ドイツと日本の対比:優等生と「フクシマの国」はなぜここまで差がついたのか
■ 構造的病理:経済産業省・電力会社・原発ロビーの「鉄の三角形」が日本の進路を逆転させた経緯
■ コミュニティ・パワーとエネルギー民主主義:地域エネルギー転換と市民参加による日本の草の根変革

講師プロフィール
飯田 哲也(いいだ・てつなり)
環境エネルギー政策研究所(ISEP)所長。日本の再生可能エネルギー政策における第一人者。京都大学で原子力工学の修士号を取得し、東京大学で博士課程を修了。原子力産業での勤務を経て、北欧にて再生可能エネルギー政策の研究に従事し、ISEPを設立。日本の地域エネルギーの先駆者として、1990年代後半に日本初の固定価格買取制度(FIT)提案を起草。2001年には、日本初のグリーン電力証書、市民風力発電所、市民ファンドを立ち上げた。東京、横浜、福島、長野などで地域エネルギー政策の革新を主導してきたほか、REN21運営委員、IRENAタスクフォース委員などを務める。2016年、世界風力エネルギー協会(World Wind Energy Association)より名誉賞を受賞。最新刊『Ei革命―エネルギー知性学への進化と日本の針路』(集英社)は2026年1月刊行。


主催:フリードリヒ・エーベルト財団、公益社団法人オーアーゲー・ドイツ東洋文化研究協会(OAG)

Friedrich-Ebert-Stiftung
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